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神話時代から現代へ
~日本酒豆知識~
酒は人間関係の潤滑油、古い時代から親しんできました。それだけにどの国でも酒の発生というものははっきりしません。清酒も同様で『古事記』にスサノウノミコトがヤマタノオロチを退治したときは八塩折(やしおり)の酒を使ったとか、『魏志東夷伝』に倭人が「人生酒ヲ嗜(たしな)ム」と評し、喪に際して弔問客が「歌舞飲酒」する風習があると記していることからみて、私達の祖先も古くから酒を愛していたことがわかります。しかし、その時代の酒がどんな酒だったのかははっきりしません。やはり、米飯などを口で噛み砕き、器に吐き出して発酵させたものだったでしょう。それも、私達が口にしている清酒(すみさけ)ではなく濁り酒だったに違いありません。
銘柄の数だけ味がある
   良い酒を造るには、よい米とよい水が必要です。
  笹一では、酒造好適米と笹子峠を源流とした良質な水と醸造条件に適した自然環境の中で醸し出されたお酒は、広く好評を博しております。
  清酒を味から見ると、淡白でありながら、その銘柄によって微妙な差があり、しかもそれが酒屋万流といわれるように多様だと言えます。昔から「酒に五味あり」と言われて、甘、酸、渋、辛、苦の五味が程よく調和したものがよいと酒とされていますが、長い醸造過程のうちに、100とも200とも言われるエキスがこれに加わって様々な味を醸し、多彩なタイプの酒となっているわけです。

日本酒は燗をするとは限らない
   清酒を飲むと言えば燗の話は欠かせません。しかし清酒はもともと冷や=常温で飲むのが本来の姿です。それは祭祀に使う御神酒や、三三九度に冷や酒を用いることで分かると思います。しかし冷や酒は口当たりがよく、酔いの回りがゆっくりなためつい飲みすぎてしまうことや、地方や季節によって早く体を暖めたいといったことから燗の習慣が生まれたと言えそうです。
  燗の温度にしても人肌と言いますが、これも好みと飲むときの環境で違ってきます。一応の基準を示せば、
ぬる燗=体温と同じ36~38度、
人肌=38度前後で40度止まり、
上燗=45度前後、
熱燗=50度以上といったところです。
   最近、暑い盛りには冷用酒やオンザロックにして飲む人が増えていますが、この酒を冷やして飲むと言う習慣も最近始まったことではなく、昔から行われていたことです。

お酒を飲む温度
9段階
飛び切り燗 55℃以上 喉が熱い
熱燗 50℃前後 口の中でお酒がとろける感じ
上燗 45℃前後 頬の内側が温かくなる
ぬる燗 40℃前後 お酒の甘味を強く感じる
人肌燗 35度前後 ほのぼのとした温かさ
日向燗 30℃前後 口中に味がじわりと広がる
涼冷え 15℃前後 スッキリとした後味とやさしい甘味
花冷え 10℃前後 清涼感のある喉越しとキレ
雪冷え  5℃前後 爽やかな刺激とさっぱりした感じ

吟醸酒・大吟醸酒は華やかな香りが特徴ですので10℃位に冷やしてお飲みいただくことをお奨めします。燗にすると折角の香りが飛んでしまいます。
純米酒・本醸造酒はコクと旨味が特徴ですので常温やお燗がお奨めです。温度によって味わいを楽しんでみるのもいいですね。普通酒もいろいろな温度で楽しむことが出来ます。

美味しいお燗のつけ方
80℃前後のお湯にゆっくりつける。
簡単には鍋でお湯を沸かし、火を止め、鍋のお湯が指を入れられる位に冷めたところで徳利を入れる。燗のつき具合は徳利の底に触れてみてちょっとぬるいかなと感じた時が適温といえます。

製造技術による日本酒の分類
ちょっと詳しく・・・
山廃仕込
山廃仕込みは燻製のような香りがし、腰が強くコクがあって飲み飽きしないと人気があります。山卸し作業をしないことから山卸し作業廃止、略して山廃と呼ばれます。山卸し作業とは半切りと呼ばれる浅い桶に、冷やした蒸米、米こうじ、仕込み水を入れ、3~4時間おきに櫂で原料をすり潰す作業の事です。山廃仕込は明治時代の後半に考案されました。山卸しは、米こうじの酵素と蒸米の混合をはかる作業ですから米こうじを水に浸し、こうじの酵素を浸出させておいて、そこに蒸米を入れれば山卸しと同じ効果が得られると考えました。

にごり酒
もろみを搾らずに粗めのふるいなどでざっと漉しただけのお酒です。このお酒の魅力は酸味と渋味、甘味が渾然一体となったところで普通のお酒に比べ野性味があり、日本酒が誕生する前の昔のお酒を飲んでいる気分に浸れます。

原酒
一般に普通酒では酒質を均一化するために、搾って貯蔵した酒を混合し、水で割ってアルコール度数を一定にする。この作業を行わずに搾ってから出荷まで一切の水を加えないのが原酒です。

生酒
上槽した清酒の澱を沈めた後貯蔵せずにすぐ濾過し、さらに割水した後再び濾過し瓶詰めしたお酒です。一度も火入れ(加熱殺菌)していないため生酒と呼ばれます。貯蔵による熟成期間が無い為日本酒本来の香りが楽しめ、冷やして飲むことで生酒ならではのすっきりとした美味しさを感じられます。「生原酒」は一切の水を加えず、火入れも行っていないお酒です。

無濾過酒
読んで字のごとく濾過をしないお酒の事です。搾って澱を沈めた原酒はまだ淡く濁っています。そこで、原酒にある薄にごりや雑味を除くために「炭濾過」(活性炭濾過)を行います。しかし、この濾過のときに酒本来が持つ旨味や香りまでを取り除いてしまうのではないかと無濾過酒が生まれました。現在では、濾過をしなくても美味しいお酒が出来るようになりました。搾り立ての美味しさを生かすには無濾過が一番といわれています。

古酒
一般的には2年以上熟成させたものを古酒と呼んでいますが明確な定義はまだありません。満3年以上貯蔵熟成した清酒を長期熟成酒と呼びます。
日本酒を長期にわたって熟成すると琥珀のような色が付きます。この色はお酒によって変わります。古酒ならではの複雑で多様な香りと柔らかな口当たりが楽しめます。弊社では3年古酒”すいしょう花”(一部酒販店のみの取扱)があります。

生貯造酒
通常腐敗防止の火入れは搾ったお酒をタンクに入れる前と瓶詰めの前の2度行いますが生のまま貯蔵し瓶詰め時に火入れしたお酒が生貯蔵酒です。貯蔵前に火入れしたものは生詰酒と呼ばれます。

樽酒
新年の仕事や行事の始めに「鏡開き」をします。鏡は円満、開くは末広がりを意味しているそうです。
酒屋では酒樽の上蓋の事を鏡と呼んでいました。
お神酒を樽で供えたときには蓋を開いて参列者に振舞います。酒樽の蓋を開く鏡開きは、新たな出発や区切り、健康や幸福などを祈願してその成就を願う行事です。時々聞かれる"鏡割り"は間違いで"鏡開き"ですからお間違いなきようにして下さい。
笹一 樽

    
~ラベルに表示される
               3つの味わい尺度~
   
日本酒度
日本酒の味を表現するのに昔から「甘口」「辛口」があります。これは口に含んだときに甘味を強く感じるかどうかということですが日本酒度の数値で甘辛の目安を知ることも出来ます。
日本酒度がプラスに高いほど辛口のお酒となります。弊社の吟醸大辛口は日本酒度+11で、純米吟醸が+1です。
酸 度
日本酒の酸の量を示します。。酸度が高いと味が濃く感じられ甘味が隠されるので辛口となります。弊社では日本人という名のお酒が1.6~1.8と最も高く(他は1.3~1.6)純米酒としてはすっきりとした味わいを感じられるのです。
アミノ酸度
日本酒中のアミノ酸の量を示します。多ければ旨味成分が多いお酒と言えます。少なければ淡いタイプとなります。
日本酒度・酸度・アミノ酸度の3つの味わいのバランスにより日本酒のバリエーションが広がります。
日本酒度は清酒の比重を示すための独特の尺度ですが、計量法という法律にもはいっている単位です。15℃で測定し、4℃の水と同じ比重を日本酒度0として、それよりも軽いものを+、重いものを-とします。
糖分が多いと比重が重くなりますので日本酒度で表すと-になり甘口、反対に糖分が少ないと比重は軽くなりますので+で辛口となります。でも、酸味が高くなると舌に感じる甘味が隠されてしまいますので日本酒度が同じであっても酸味の高いお酒は辛口となります。


《和らぎ水》
日本酒と一緒にときどき飲む水の事を言います。
合間に美味しい水を飲むと深酔いせずにお酒も料理も美味しくいただけます。仕込み水で美味しくお酒を召し上がって下さい。
日本の飲酒文化
お酒の文化の追求
   日本人は古くから「お酒との良き付き合い方」を考えてきた国民です。室町時代の狂言「餅酒」、貝原益軒の「養生訓」、江戸時代の随筆などを集めた「百家説林」などに日本人の飲酒観を見ることが出来ます。また、足利時代に起こったとされる「酒道」の基本精神は「酔っ払うのを目的とせず、お酒をもっと優雅で素晴らしいものにしよう」というものだそうです。お酒を良き友として、生活を潤いのあるものにしていこうとした先人には、過剰飲酒や一気飲みは嘆かわしいことだと思われるでしょうね。

百家説林より 狂言「餅酒」より
1. 礼を正し 1. 独居の友
2. 労をいとい 2. 万人和合す
3. 憂いを忘れ 3. 位無くして貴人と交わる
4. 鬱をひらき 4. 推参に便あり
5. 気をめぐらし 5. 旅行に慈悲あり
6. 病を避け 6. 延命の効あり
7. 毒を消し 7. 百薬の長
8. 人と親しみ 8. 憂いを払う
9. 縁を結び 9. 労を助く
10. 人寿を延ぶ 10. 寒気に衣となる

日本酒いろいろ
   日本酒造組合中央会では、製造方法の表示を全国的に統一するため、自主基準を作り、実施しています。
純米醸造
米、米麹、水だけを原料に、伝統的な製法で造られたもので、添加物は一切使っていない。

吟醸
純米か本醸造で、精米歩合が60%以下の白米を使用し、吟醸造りをした清酒。吟醸造りとは、若い麹を10度前後の低温でゆっくり発酵させて仕込む製法で、吟醸香という独特のフルーツのような香りがする。

手造り
機械を使わず昔ながらの製法によるもので、純米か本醸造。ハココウジを使うのが特徴。

樽酒
樽にかこって木の香りをつけたもので、樽のままか、それを瓶に詰めたもの。

原酒
もろみを搾ったまま加水しない濃厚な酒でアルコール度も約20%と高い。

生一本
純米酒で、しかも自分の工場で造った自醸造のもの。

生酒
搾ったお酒を一切の熱処理をしていないお酒です。
常温に置くことなく冷蔵が必要です。

生貯蔵
搾ったお酒を低温で貯蔵・熟成させ、瓶詰め時に熱処理をします。よく冷やして楽しみます。

つまり、これらの表示がされてある酒は伝統的な製法に、より近い方法で造られたお酒と心得ておいてください。

日本酒の用語
掛け米
日本酒の原料となる米で、もろみに仕込まれる米のこと。

米こうじ
米に麹菌を生やしたもの。麹菌が作った酵素の働きにより米を溶かしてデンプンをブドウ糖に変えて酵母が食べられるようにする働きを持つ。

酒母
文字通り酒の母。"もと"とも言う。米、麹、水で栄養豊富なもろみ状のものを造り、酵母を増殖させたもの。酒母は酸が強いため有害な菌の繁殖を抑えこみ、酸に強い酵母をどんどん増殖させる。

もろみ
できあがった酒母と米麹、蒸米、水をタンクに仕込んだもの。ここで麹による蒸米の溶解糖化と酵母によるアルコール醗酵が同時に進む。醗酵が十分に進んだものを漉すと清酒の出来上がり。

寒造り
寒い冬の間に造られるお酒のこと。冬に造ったお酒は美味しいと言われている。

吟醸香
吟醸酒に現れるバナナやリンゴの様な果実香。10℃以下の低温で発酵させると出ることが多い。

酵母
糖分を分解してアルコールと炭酸ガスを生成する微生物。酒質に応じて使用される酵母が異なる。

心白
米の中心部が白く不透明に見える状態、又はその部分の呼称。

仕込み水
日本酒を醸すときに米と同様に大切なのが水。日本酒を造るために酒母タンクやもろみタンクに入れる水を指す。

醸造アルコール
サトウキビの糖蜜や穀類を醗酵、蒸留して作られる。日本酒の香味を調整するために使用される。

酒造米
酒造りに適した米のこと。米の粒が大きくて水を吸いやすいのが特徴。中心の心白と呼ばれる部分が大きく、たんぱく質や灰分の含有量が少ないものが適す。主食には適さない。
有名な名前に、
山 田 錦 : 代表的な酒造好適米で香りの高い大吟醸酒用として人気がある。
(昭和11年品種登録)
五百万石: 新潟、北陸中心に栽培されている品種。
(昭和31年品種登録)
美 山 錦 : 耐冷性が比較的強いため北日本で多く栽培される。
(昭和53年品種登録)
  雄 町   : 好適米の中で最も古い品種。独特のふくらみのあるお酒になるため現在でも根強い人気がある。
(大正11年品種登録)
がある。
このほかに出羽燦々と言う名の品種も弊社では使用されることがあります。品種自体は全国で83品種が栽培されている。
作付面積では4位の雄町を大きく引き離して
1位山田錦・2位五百万石・3位美山錦となっている。1位と2位は僅差。
浸漬
洗った米を水に漬けて適度に水を吸わせること。極度に精米した米は驚くほどよく水を吸う。

全国新酒鑑評会
独立行政法人酒類総合研究所が主催する新酒審査会。数ある酒類審査の中でももっとも大規模で権威があるとされている。鑑評会の参加は自由。優秀だと認められたお酒には金賞が与えられる。

淡麗辛口
80年代に流行語になった酒の風味を表す言葉。さらりとして甘味を感じさせないお酒。反対にどっしりした味わいを表すのは豊醇・濃醇・濃い口と言い表す。

ひやおろし
冬から春にかけて作られた新酒をタンクに貯蔵し、夏の土用を過ぎ、秋に出荷されるお酒のこと。ひと夏を越すことで香りも味も円熟する。

割水
お酒を瓶詰めして出荷する際にアルコール度数を調整するため水で割ること。原酒で18~20度ある度数を14~16度にする。仕込み水で行います。
 


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